生命保険の加入の仕方/見直し方

FP相談の中でも、生命保険に関する質問をよく受けます。
ここでは、基本的な生命保険の組み立て方について解説したいと思います。



生命保険の加入目的

まずは、生命保険契約の目的について明確にしましょう。保険を使って何をカバーしたいのでしょうか?
一般的には、
1.遺族保障(誰かが亡くなってしまうことによる収入補填)
2.生存保障(入院やケガによる支出カバー及び収入減補填)
3.貯蓄・運用目的
の3つが多いのではないでしょうか?
それぞれの目的に合った生命保険商品があり、また、家族の状況や年齢等でどの商品を選ぶべきかが変わって来ます。
まずは、目的をはっきりさせましょう。

 

目的別設計の仕方

遺族保障

まず、遺族保障に関して考えてみましょう。
目的は、収入補填です。この保障は経済的に支えている人がいるという事が大前提になります。つまり独身で親を養っていなければ必要のない保障ということになります。
大事な指標は「現在の収入」と「現在の支出」になります。収入には、大きく3つ考えるべきものがあります。
まずは、現在の所得による収入額、2つ目に社会保障からの収入。そして貯蓄額です。
所得による収入は、いわゆる給料がメインでしょう。不労所得(不動産等の資産を持っているなど)がある場合はこれも見ておきます。
社会保障は、メインが遺族年金です。これまでの貯蓄も見ておきましょう。
こうした収入の合算額から今後の考えられる支出を引いて、足りなさそうな金額を保険でカバーすれば良いのです。
収入(所得+社会保障+貯蓄)ー支出(予想生活費などの出費)=不足額
不足額を保険でカバー

生存保障

これは、例えば病気やケガで就労が難しく、収入減になってしまったとか、その病気・ケガによる支出増といった経済ダメージを保険でカバーする目的になります。
保険の設計の仕方としては、病気・ケガに関しては「高額療養費」という制度が健康保険にはあるので、月々の医療費負担には上限があります。これを参考に、月々どのくらいまでの負担が可能かを考えます。それに足りないものを医療保険や所得保障保険で賄うという考え方です。
月々の上限(約8万円+α)+その他の医療出費

貯蓄・運用目的

生命保険には、貯蓄機能・運用機能を持った商品があります。これらを上手に活用することで、資産効率を良くすることが出来ます。
保険には、保障料等が含まれているから保険での貯蓄は損だという評論家もいますが、素人発想です。たしかにその指摘は一部には正しいのですが、結果として世の中の他の金融商品より運用結果が良いものもたくさんあります。
大事なのは貯める・増やすことですから理屈はどうあれ、内容が良ければ良いのです。
ついお金を使ってしまう人や学資保険を検討中の方、独身で遺族補償の必要のない方など、保障機能を持ちつつ、貯蓄・運用機能を使うというのが良い方法なのではないでしょうか。

 

目的別商品選び

商品は日々変わります。新商品も出ます。時代に合った商品選びが大事なのでここでの記述は控えます。また、生命保険は契約した時より、その後、どのようにメンテナンスをしていくかの方が重要だったりするので、しっかりメンテナンスをしてくれる営業や会社で加入することが大切だと思います。

今や生命保険や、営業マンからもお店でも通販でも買える時代になったので、加入後どのように商品を買い替えたり、継続していくかが問われる時代になったともいえると思います。

 

生命保険は、ちょっと特殊な金融商品だと思います。
価格も大事ですが、目の前の高い安いという値段だけでなく、長期的視点が問われる商品でもあります。安かろう悪かろうにならないよう、安くて良かった!と言えるような契約になりますよう、よくご検討下さい。

ご相談やお問い合わせがございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。
長文お読みいただき、ありがとうございました。